マシューのことをもう一度書きたくて
ネットでいろいろ写真を探していました。 スワンレイクも衝撃的な作品でしたが くるみ割り人形の衝撃はそれを超えるものでした。 二幕の華やかなシーンの写真は、どこのサイトにも沢山ありますが 僕が探していたのは一幕の冒頭。これがなかなかない。 結局見つけられませんでしたが・・・。 モノクロの地味なシーンは人目を惹かないのかもしれません。 プティパのくるみ割り人形の一幕は 華やかなクリスマスパーティーの場面から始まります。 大きなツリーのそばに赤々と燃える暖炉 シルクと宝石で着飾った大人たちのまわりを 上質な晴れ着を着た子供達が駆け回っています。 この華やかな場面、マシュー版くるみ割り人形では 舞台全体が、冷たく殺風景な色で覆われています。 固く冷たいベッドが並び 子供達は灰色や黒の同じ形の粗末な服を着せられています。 マシュー版は、孤児院の一室から物語が始まるのです。 僕たちが見慣れているくるみ割り人形では いつもきれいに着飾った子供達が笑っていました。 まるで、子供というものは、クリスマスには世界中どこでも こんな風に着飾って笑うものなのだとでも言うように。 世の中に、プティパのようなくるみ割人形しかないのは 不公平だとずっと思っていた僕にとって マシューのくるみ割り人形は、とてもセンセーショナルに思えました。 当時、ある一部の階級のものでしかなかった作品を みんなのものにした・・・ というと僕がプロレタリアアートの信者みたいだけど どう言えばいいのか・・・くるみ割り人形を自由にした人として マシューボーンは鮮烈に僕の心に残る人になりました。 <今日のワイン> 陽気に騒ぎたい時も、つかの間の静寂にも、 シャンパーニュはこれ、ドンペリニョン。 ああマシュー、これももっと自由にしてくれ。
by henrri
| 2005-10-25 09:09
| バレエ
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