伊右衛門の脇指

米沢に行って来た。
吹雪だった・・・
かつては父が所有し
現在は兄が管理している刀剣が展示してあるというので
博物館に見に行ってみた。e0090389_1311172.jpg

長谷部国重は、その昔、祖父の収拾した南北朝時代の脇指。
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幼い頃、祖父の家に遊びに行くと
大きな長持に日本刀がじゃらじゃらと無造作に収めてあった。
父や祖父が刀の手入れをしていると
もの凄く怖くてその部屋には入れなかった。
後に、何かの折に実物を手に取ったことがあったけど
見るだけでも怖いのに、それはそれは総毛立つような恐ろしさ。
今にも八つ墓村の要蔵さんのように、発狂して日本刀を振り回し
周りの人をバッタバッタと斬り殺してしてしまうんじゃないかと思うくらい
それは殺気と怨念で妖しく底光りしている。
ちなみに鑑定書には、一つ胴とか二つ胴とか書いてある。
そう・・・それは、その刀が斬った人の数・・・です。
いくら戦乱の世とはいえ、こんな物を鞘から抜くというのは
そうとうの覚悟があってのことだと思う。
自分の命もないものと思わないと、こんなものとうてい振り回せないな・・・

大正四谷怪談という芝居の中で、主人公の伊右衛門が
お岩の父を殺す場面の回想でのセリフ。

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――― のたれ帽子の刃の先に、月の光が染み込んだ。
月と刀は一心同体。殺りなと刀がいった。
俺は殺った。お岩の父を殺した ―――

この、のたれ帽子。“のたれ”とはゆるやかにうねる刃文のこと。
“帽子”とはその切先のことらしい。

刃文には、“のたれ”の他に、直刃、互の目、丁字などがある。
長谷部国重は“のたれ”かなー・・・
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by henrri | 2005-11-23 13:25
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