2005年 12月 26日 ( 2 )

男子フィギュアスケート代表選考に思う

Excite エキサイト : スポーツニュース
今回の女子フィギュアオリンピック選考以上に楽しみにしていたのが
実は男子のフィギュアスケート。
今回の選考では、採点ミスという前代未聞の不手際から
非常に後味の悪い結果となったのは残念だけれど
代表選考に最終的に残った2選手の戦いは見応えがあった。

夏場の、過酷で地道な練習の様子など全くわからない僕たちにとって
冬期限定の種目であり、また
上位選手の入れ替わりが目まぐるしい種目でもある
フィギュアスケートでは、いい選手が現われると
まるで、唐突に天から使わされた申し子であるかのような印象を受ける。
女子の浅田真央選手同様、男子の高橋大輔選手には、まさに
彗星のごとく現われたような衝撃があった。
かつての日本人選手とは全くタイプの異なった彼の演技は
競技と呼ぶにはあまりに華麗で美しい。
ジャンプを終えたときの流れるような着氷姿勢。
スピードに乗り、氷と戯れるかのような切れのいいステップ。
その表現力は、確かなクラシックバレエの基礎を積んできたことを
容易に想像させる。
何より彼が稀有の存在であるのは
氷上にあるときの圧倒的なオーラにある。
インタビューを受けている時の彼は
どこにでもいる今時の若者に過ぎないが
いったん氷に乗ると、彼の中には
スパニッシュダンサーの熱くたぎる血が流れているのではないか
と思えるように輝きだし
キャンデローロの再来を思わせるようなオーラを放つのである。

とかく、女子の選考争いの陰に隠れて
注目度が削がれてしまった男子フィギュアだが
今回、採点ミスによる順位の入れ替わりという不本意な話題で
注目を浴びてしまった。
2度目の表彰台に上がった選手達に、笑顔はなかったが
高橋選手には、織田選手の分まで
トリノの本番で、存分に実力を発揮してもらいたい。
それが、この最終選考の顛末を見守った
全ての人たちの思いではないだろうか。
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by henrri | 2005-12-26 10:01

銀板のジャンヌ・ダルク

最後の最後まで白熱した展開を見せた
女子フィギュアスケートオリンピック代表がようやく決まった。
トリノへの切符を手にしたのは安藤美姫、村主章枝、荒川静香の3選手。
昨日の全日本フィギュアスケート選手権ほどレベルの高い大会は
オリンピックも含めた様々な国際大会でも
かつてなかったのではないだろうか。
代表枠を争った上位6選手のほとんどが
パーフェクトに近い、気迫のこもった素晴らしい演技を見せてくれた。
選手達が次々に難度の高いジャンプを決める度に
会場に湧き上がる感動と興奮が
TV画面を通しても、あますところなく伝わってきた。
彼女達は本当に美しかった。
結果として選考に漏れてしまった選手の演技は
トップスリーの選手と比べなんら遜色はなく、むしろ
追う者の気迫がひりひりと伝わってくるような素晴らしい演技だった。

中でも印象的だったのが、僅差で代表枠を逃した恩田美栄選手。
最後のアドバイスを受けてコーチの元を離れ
それまでの迷いから解き放たれるように
力強くリンクに向かった彼女の演技が光っていた。
決意の色が宿った瞳の輝きが、一瞬にして会場を制圧した。
眠っていた底知れない力が眠りから醒め、外に溢れ出すかのような
迷いのない演技からは、誰も失敗することなど想像だにしなかった。
それまで、彼女の中に澱のように蓄積してきた辛さ、苦しさ、悔しさ
といった負のエネルギーが
アスリートとしての彼女の闘志に火をつけたかのような瞬間だった。
彼女の演技は、まだフィギュアスケートの奥深さも、試合の怖さも知らない
若い選手の伸びやかな演技とは全く違っていた。
これまでの戦いで受けてきた、幾多の傷を刻みながら
それでもなお戦うことを止めずに前へ進む彼女の姿は
ジャンヌ・ダルクのように強く美しかった。
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by henrri | 2005-12-26 02:32