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六月は真紅の薔薇

あっという間の5月だった。
爽やかな新緑の風を謳歌する間もなく、走り梅雨のような空模様だが
雨に濡れた新緑がさらに鮮やかに、美しさを増す季節でもある。

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つい一週間ばかり前には、まだ固い蕾だった裏庭の薔薇が色づき
幾重にも重なった花弁の間に雨粒を含み、重たげに首を垂れて
雲の合間の陽光に輝いている。

今日は沖田総司の命日である。
庭の薔薇が一つ咲き二つ咲きして、毎年彼の命日を思い出させてくれる。
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慶応4年5月30日、江戸千駄ヶ谷にて
幕末の仇花といわれた新選組一番組長沖田総司は
近藤勇の死を知らされないまま
最後まで近藤の身を案じながら息を引き取ったという。
享年27歳。
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by henrri | 2006-05-30 17:43

プラド美術館展を見た

美術館に行っていつも思うのは、半日ぐらいじっくり時間をかけて
絵だけではなく、その空間も思う存分楽しみたい・・・ということだ。
まだまだそんな贅沢は許されないけれど
その日はどしゃ降りの悪天候に加え
ほぼ開館と同時に入場できたこともあって
去年のドイツ展のような、人垣の隙間からかろうじてのぞき見るといった
悲惨なめには会わずに済んだ。

美術館には静寂を ―――  これが美術鑑賞の最低の条件だろう。

17、18世紀の、威風堂々としたスペイン絵画は
驚異的な光と影のせめぎ合いが造り出す魔術である。

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                             スルバラン「ボデゴン」

食器や食材を描いたボデゴンと呼ばれる絵がある。
闇の中に、ある意図を持って配置され浮かび上がった静物は
あまりに忠実なゆえに、禁欲的かつ官能的である。

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      サンチェス・コタン「狩猟の獲物、野菜、果物のあるボデゴン」

室内で描かれた絵が、自然界の法則に実に従順であるにもかかわらず
現代人の目に非現実的に映るのは
ろうそくの明かりのみを頼りに描いているからだろう。
現代人にとって、こうした漆黒の闇は未体験の空間であり
光と闇の果てにある静寂は憧れでもあるのだ。
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by henrri | 2006-05-07 23:47